春ヴァーナ

 

洗濯物がなびく2月の朝 きっと君のもとへ春はくるだろう

窓の隙間にあさいちの食卓にほっぺたの赤さに 春はくるのだ

 

きっと台所に春の風

ちょっといたいけな春の風

 

町の軒先に春のさえずり

君のところにもきっと船出は来る

そこに連れ立って行く者はないが

音楽はいるか いるなら持ってゆけ

 

作り笑いが下手な君のことだ

きっとつらいこともあったのだろう

まつ毛の先に靴下の長さに

ちっちゃくて可愛い春はくるのだ 

 

そっと君の頬なでる春

ずっと君のことを焦がれた春

 

町の軒先に春のさえずり

君のところにもきっと船出は来る

そこに連れ立って行く者はないが

音楽はいるか いるなら持ってゆけ

 

美しくなく凛々しくもなく

ただやっとそこに立って場所を取るだけの日々

それでも良いのさ

みじめでぶざまなつくりものだって良いさそれでゆけ

 

きっと春は来る